【自宅で葬儀をするための完全マニュアル】費用をかけずに家族だけで見送る方法

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・自宅で葬儀をしたいけどやり方がわからない

・家族だけで密やかにお別れしたい

・最期は自宅で見送ってあげたいけど失敗しないか心配

昨今、葬儀のあり方が変化しつつあります。コロナ禍の影響もありますが、小規模化の傾向にあり、家族だけで葬儀を執り行う「家族葬」の割合が増えています。

その背景には

・近隣住民や共同体との関係の希薄化

・景気低迷での経済的負担

・宗教離れ

・コロナ禍

・高齢化が進み、会葬者が高齢である

などの原因が挙げられます。

この小規模化の傾向は今後も続きそうです。

【2023年最新版】コロナ禍で変化しつつある葬儀の現状

そんな小規模化の中で注目されているのが「自宅葬」です。

「費用をかけず家族数人だけで葬儀をする」という自宅葬のあり方が合理的と考える人も少なくないようです。

かつて自宅で一般の人達を招いて葬儀をするのにはいくつかハードルがありました。

駐車場がなく、多くの方に来てもらうことが難しい、また会葬者への気遣いが必要だったり、自宅で葬儀をするスペースを確保できなかったりと難易度は高いです。多少費用をかけても公的な施設を利用したほうが楽でした。

そういった自宅葬のハードルが高いという背景があり、葬儀社も行政も式場や霊安室をどんどん建てました。

しかし、式場や霊安室は維持費がかかり、それを補うために葬儀自体を肥大化させる方向に業者も動かざるをえない状況になってしまいました。

今では多額の費用がかかるものというのが一般化しています。

しかし、家族葬であれば人を呼ばないので駐車場も式場も不要です。

家族だけで執り行うので形式にとらわれることもありません。

見栄をはらず小さな祭壇でもいいわけです。

葬儀に携わること10年の私の経験から「自宅で葬儀をするための完全マニュアル」として体系化した記事を書いて行きますので、気になるところから読み進めて行ってください

自宅で葬儀をすれば、故人の意思も尊重でき、費用も抑えられ、長年過ごした自宅でゆっくりと家族に見守られながら葬儀ができます。

もちろんメリットばかりではありません。人によってはデメリットも存在します。

そのあたりも含め、一生に一度のことですからぜひ失敗しない葬儀をしてほしいです。

よくわからないという理由で葬儀社のいいように話が進められ

・多額の費用がかかった

・思ってたのと違った

・知らないばかりに恥をかいた

など失敗しないように知識を手に入れてくださいね。

■自宅葬とは

 自宅葬とはその名の通り、自宅で葬儀をする形式のことを言います。一昔前は自宅にたくさんの人が会葬に来たりと、遺族の負担が大きく、次第に斎場など式場を借りて執り行うのが一般化してきました。

 近年ではコロナ禍の影響もあり「家族葬」や「直葬」なども増えてきて、会葬者の人数が減り、わざわざ大きな式場を借りなくて済むケースも見受けられます。

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 また、最期は自宅でお別れしてほしいという方も増え、近隣の方にも理解が深まっているようです。

 駐車場や会葬者への返礼品など、自宅では対応できなかった問題が、近年では問題にならなくなり、時代が逆行して自宅葬も見直されつつあります。

 もちろんいいことばかりではなく、デメリットなどもあり、すべての方が自宅葬のほうがいいとは言い切れません。

次からご紹介するメリット・デメリットを踏まえた上で「自宅葬」にするのか、式場を借りて執り行うのかを判断してみてください。

■自宅葬のメリットは費用削減と故人の想い

自宅葬のメリットは3つあります

①費用が抑えられる

②故人の意思を尊重できる

③少人数の親族だけなので和やかに気兼ねしないで済む

一つずつ解説します

①費用が抑えられる

 自宅葬の場合かからない費用が2つあります

会場費

 一つは「会場費」です。自宅以外で葬儀をすると式場使用料やお寺の本堂を使用した場合お布施に上乗せされたりするので安くて5万円から高いところで30万円くらいかかります。もちろん費用に見合うだけの設備も整っていますが、少人数で執り行う家族葬の場合には大きな式場は寂しく感じることもあります。

自宅で葬儀をする場合には会場費はかかりません。強いて言うなら電気代が多少増える程度でしょう。

安置料

もう一つの自宅葬ではかからない費用は「安置料」です。普通、亡くなられてから火葬までの間はご遺体を安置しておく場所が必要になります。業者等に預けると1日単位、または時間単位で料金がかかります。およそ1日1万円くらいはかかると見ていいでしょう。

自宅の場合、故人が寝ていた部屋や居間の一部などで安置できるので、よその施設を使うより費用はかかりません。ただし、冷蔵室のような安置所のほうが遺体が傷みにくいという利点もあるのでご遺体の状態を踏まえた上で判断が必要です。

②故人の意思を尊重できる

 近年では故人の意思を反映したいというご家族が増えて来ました。よく聞くのが「私の葬儀は簡単でいいからね」ということをご遺族に話している方が多いということです。身内だけで簡単にということは、式場も小さいところで祭壇も小さなものでということかと思います。ですから、自宅でちょっとした祭壇を飾るくらいでできるならちょうどいいわけです。

故人が好きだった趣味のものや、お気に入りの音楽など好きなように飾ることができます。ずっと過ごしてきた「家」自体が故人の一番のお気に入りかも知れませんね。

③少人数の親族だけなら和やかに気兼ねしないで済む

自宅で葬儀をすると言っても家族が中心の場合ですが、親族だけで執り行う自宅葬では故人の意思を反映しやすく、また、自由度が高いです。時間も火葬の時間さえ間に合えば自由にセッティングできますし、家族もいつも生活している環境ですから気を使いません。

【自宅葬に向いている人、向いていない人】

こういったメリットがある自宅葬ですが、デメリットはどうでしょうか?

次はデメリットの解説になります。デメリットさえ許容できれば自宅葬はとても満足度の高い葬儀になるでしょう。

■自宅葬のデメリットは物理的な利便性と近隣トラブル

自宅で葬儀を行うに当たりデメリットは以下のものがあります

①マンションなどは事前に管理人などに相談しないといけない

②たくさんの人に知れ渡ってしまうと対応が困難に

③自宅にスペースがないとできない

④駐車場の確保が困難

一つずつみていきましょう

①マンションなどは事前に管理人などに相談しないといけない

 自宅がマンションなど集合住宅の場合、事前に管理人やオーナーさんに連絡をしておくことが重要です。2階以上の部屋ならエレベーターを使って搬送することもありますからエレベータのトランクを開けておく必要があります(これは病院等から自宅に搬送する際も必要です)

また、不特定多数の方が参列することを考えると近隣住民への配慮も必要になってきます。事前に掲示板などを利用して周りの人の理解を得ることも後々トラブルにならないためにも必要です。

家族だけで執り行う際もきちんと管理人さんに声をかけておきましょう。

②たくさんの人に知れ渡ってしまうと対応が困難に

 自宅で葬儀をするとどうしても大人数は呼べません(大豪邸ならば可能でしょうが)一般的な1軒屋でもせいぜい30名から50名が限度。それ以上の会葬者をさばくのは至難の業です。自宅で葬儀をする際は20名程度に抑える必要があります。

テントや照明を用意すれば大人数を呼ぶ葬儀もできますが、葬儀場などを借りたほうが費用がかからない場合がほとんどです。

③自宅にスペースがないとできない

 お家の大きさに関わらず、葬儀をするにはある程度スペースが必要です。棺、祭壇、宗教者の道具。そして親族が座るスペースなど。6畳くらいのスペースがあればできるのですが、テレビや家具等でそのスペースが確保できない場合もあり、加えて、高齢者が住む家というのはなかなか整理ができない場合もあります。事前にある程度整理しておく必要があります。最近は家事代行サービスやハウスクリーニングなどのサービスもありますので普段からこまめに整理整頓をしておくといいでしょう。

④駐車場の確保が困難

 近くに駅やバス停がない場合、会葬には自家用車やタクシーを使うことが多くあります。自宅で葬儀をする場合は駐車場の確保が難しいです。宗教者、親族用に数台分を確保するのがやっとのお家がほとんどで、近隣にコインパーキングがあればそこを利用するか、商業施設等に駐車場を使わせてもらえないか交渉したりする必要があります。

【自宅葬に向いている人、向いていない人】

ここまでメリット・デメリットを書いてきました。これらに関連していくつか注意点を次項でまとめてみました。以下の注意点さえクリアできれば自宅葬をするメリットが最大限に活かせます

■自宅葬での注意点

前の項のメリットやデメリットを踏まえた上で、気をつけるポイントをまとめました。すべての項目に回答できるか試してみてください。

①会葬者の人数はどのくらいか

②十分な駐車場はあるか

③屋内のスペースは十分か

④近隣の理解はあるか

⑤そもそも故人の意思はあるのか

⑥式場を使う場合と費用がどの程度違うのか

⑦宗教者への対応は?

一つずつ解説していきますね

①会葬者の人数はどのくらいか

まず、会葬者の人数がどのくらいになるのか。これは故人や喪主さんによって千差万別です。年齢や職場の関係性など、人それぞれ付き合う人数が違います。中には親族だけで100人くらいいる方もいます。

自宅の大きさや確保できるスペースにもよりますが、20人を超える場合は施設を借りて行うことを検討してみてください。

②十分な駐車場はあるか

自宅に駐車場がある場合、宗教者、親族、会葬者のために確保しておきたいところです。自宅に駐車場がない場合は、近隣にコインパーキングがあるか。または近所の方や近くの商業施設に一時的に借りることも検討しましょう。

③屋内のスペースは十分か

通夜・葬儀に共通して必要なスペースがご遺体を納めた柩、宗教者が儀式を行う場所、祭壇、遺族、会葬者が座る場所が必要です。会葬の人数にもよりますが、親族は儀式が終わるまでずっと居ますが、一般会葬者はお通夜ならお焼香をして帰るケースがほとんどです。お焼香が始まるまで待機しておくスペースが必要になってきます。

【自宅で葬儀をするために】お家のスペースを確保する7つの方法※準備中

④近隣の理解はあるか

自宅で葬儀をする際に近隣の方にはきちんと断っておくと無用なトラブルを起こさなくて住みます。大勢来ないと高をくくって挨拶もせずにしておくと、もし大勢きてしまった場合に迷惑をかけることになります。普段からお付き合いがあることが理想ですが、付き合いがなくても葬儀の前にご迷惑をおかけするかもしれませんと丁寧に伝えましょう。

⑤そもそも故人の意思はあるのか

自宅で葬儀をしたいというのは「故人の意思」なのか?ということがまずよく確認する必要があります。「家族だけで」とか「簡単に」という言葉だけで「自宅葬で」と結びつけてはいけません。

もちろん「家族だけで簡単に」という言葉に自宅で済ませたいという気持ちがある場合がほとんどでしょうが、式場を借りても家族だけで簡単に葬儀をすることは可能です。故人の意思を一番理解している家族の方がしっかりと意思を組んで検討しましょう。

ちなみに自宅で葬儀をしたがる業者が少ないという事実もあります。費用をかけないという皆さん方のメリットは葬儀社からすると「売上が低い葬儀」ということになるからです。式場を持っている葬儀社ならなおさら自宅葬を敬遠しがちです。自分の式場で慣れた手順でできるに越したことはありませんからね。

自宅で葬儀をしたいと言ってもいろいろと心を揺さぶられるようなことを言われ、自社の式場に誘導されたりすることもありますので注意が必要です。

⑥式場を使う場合と費用がどの程度違うのか

自宅で葬儀をすると費用が抑えられるという話をしてきましたが、費用だけで考えると大きな失敗に繋がります。費用がかかるということはその分のメリットもあるからです。

たとえば、駐車場のケースでみれば、コインパーキングを借りたりする費用や手間を考えてみたら公営の式場を借りたほうがメリットがあったりするわけです。前にも書きましたが、葬儀社は自宅葬をしたがりませんので費用のかかる方に誘導してきますが、自宅葬と式場を借りたときとでどの程度費用が違うのか見積もりを出してもらうと判断がしやすくなるので可能なら事前に見積もりを取るようにしておきましょう。

ただし、安さだけを基準にしてしまうと本当に大切なものがおざなりになり、失敗の元です。良心的な葬儀社さんは大事な部分はきちんと説明して多少費用がかかりますがここは費用をかけたほうがいいですよと言ってくれます。そういう葬儀屋さんを探すのも大事なポイントです。

⑦宗教者への対応

準備中

さらに詳しく知りたい方はこちらに詳しく書きました

自宅葬で注意すること7選※準備中

自宅葬のメリット・デメリット徹底解説※準備中

■自宅葬の大まかな流れ

ここまで踏まえて「よし、自宅葬でやろう!」となれば実際の流れを抑えておきましょう。

それでは次に実際に大切な人が亡くなり、搬送、打ち合わせ、通夜、葬儀、火葬までの流れを大まかに説明していきます。なお、この例は日本で最も多い仏式のケースとさせていただきます。

①臨終(病院・施設で死亡診断を受ける)

②搬送(寝台車で自宅や霊安室に移送)

③打ち合わせ

④納棺(日程を決めてごく親しい人で行う)

⑤通夜(僧侶をよんでお経を上げてもらう)

⑥葬儀・初七日(葬送の儀を執り行う)

⑦火葬・拾骨(火葬場にて)

⑧壇払い(葬儀の区切りとして)

⑨自宅に安置

⑩四十九日・納骨

①臨終

病院施設、自宅や警察署など、死亡が確認され搬送を待っている状態です。この時点で葬儀社に連絡し搬送の手配をします。搬送だけを依頼することも可能です。医師から死亡診断(検案)書を受け取ります。

②搬送

自宅や霊安室などの施設に搬送しご安置をし枕飾りをします。その際にドライアイスをあて、神棚を封じるために半紙をはります。

③打ち合わせ

葬儀の日程や火葬場の予約、葬儀の内容を葬儀社と打ち合わせします。ここで初めて菩提寺に連絡することが多いです。葬儀の日程は菩提寺と葬儀社と3者で行うのがスムーズです。自身の予定、お寺の予定、火葬の空き状況を踏まえて決定しましょう。

④納棺

お通夜の前までにはお身体をお棺にお移しします。その際に湯灌(ゆかん)と旅支度をご家族や親しい人で行います。この納棺は通夜の直前までならいつでもできます。お体の状態によってはすぐに納棺することもあります。納棺をするとドライアイスの効き目が良くなるメリットがあります。しかし、あとから駆けつけた方が柩に入っているのを見て寂しさを感じることもあります。

可能であれば2、3日お布団でご安置をした後に納棺するとよいでしょう。

⑤通夜

お通夜は火葬の前日に行います。本来は夜を通して行うものですが、昨今では夕方の6時から1時間ほどで終わるケースがほとんどです。お坊さんに読経してもらって、親族、一般の順に焼香をし、通夜ぶるまいという食事をして帰ります。

自宅葬なら故人を囲んでゆっくり過ごすのもいいでしょう。(次の日の葬儀に備えて夜ふかしはしないようにしましょうね)

⑥葬儀・初七日

葬儀は火葬のおよそ1時間半〜2時間前に行います。1時間で葬儀、初七日(宗旨により火葬後に行うケースもあります)、お別れ花を手向けたり副葬品を棺にいれた後にご閉棺、火葬場に移動します。

地域によっては火葬をしてから葬儀をするところもあります。

⑦火葬・拾骨

火葬場に着き、お焼香、お別れをします。およそ1時間ほどで火葬がおわり、御遺骨を骨壷に納めます。

⑧壇払い

拾骨が終わり、食事ができる会場へ行って「壇払い」をします。およそ2時間のコース料理が主流です。最近では火葬の待ち時間にお弁当のようなケータリングを頼むことも増えてきました。中には壇払いをせず、お弁当を持ち帰ってもらうケースもあります。

⑨自宅に安置

自宅に戻り、御遺骨を安置します。中陰壇という御遺骨飾りを事前に用意します。葬儀社で用意する場合もありますし、自前で用意する際はテーブルのようなものに白布をかけて、そこに御遺骨や位牌、遺影をかざり、お線香道具を置きます。

⑩四十九日・納骨

亡くなった日を含めて49日後を四十九日と言います。無事に浄土に渡った日ということで、改めてお坊さんに読経してもらい、御遺骨をお墓に埋葬します。49日を超えないようにし、該当日の直前の土日などで執り行うことがおおいです。埋葬は四十九日に限ったことではないので四十九日は読経だけしてもらい、埋葬は1周忌、3回忌などお墓の準備ができ次第でも構いません。

■自宅葬でかかる費用の目安

自宅で葬儀をする際の大体の目安となる料金を参考までに載せておきます。もちろん葬儀社によって価格は違いますし、パックになっていて一つ一つの項目が記載されていない会社もあり、必要だと主張する項目も違います。なので総額でこの金額を超えるようなら他の葬儀社も検討してみましょう。

故人情報

病院にて死亡火葬まで4日。仏式。親族のみで会葬者8名

搬送費病院〜自宅 約27,500円

ドライアイス 1日約11,000円×3日=33,000円

祭壇 約110,000円(位牌、儀式道具一式含む)

棺 約88,000円(通常木製)

骨壷 約11,000円(白磁7寸)

供花 16,500×4本(うち2本は他の親族が負担)=33,000円

搬送費自宅〜火葬場 約27,500円

葬儀社費用 約110,000円(打ち合わせ、設営他事務手数料)

お布施 300,000円

食事代 通夜 1,650×9=14,850円

    告別 5,500×9=49,500円

返礼品 通夜のみ 550×9=4,950円

香典返し なし(後日配送)

火葬料 市内(組織)住民のため 無料

合計 721,300円

様々なケースが考えられるので一概にこの金額が標準だとは言い難いのですが、同じような規模感でお考えの方は参考になるかと思います。

■まとめ:ポイントを押さえつつ、自由な葬儀を

自宅葬とは文字通り自宅でするお葬儀のことです。自宅葬儀のメリット費用が抑えられることでデメリットは近隣への配慮が必要ということです。自宅葬での注意点としては駐車場など会葬者への配慮など細々とした気遣いが必要になります。

大まかな自宅葬の流れとしては病院などから搬送後、打ち合わせを経て通夜・葬儀・火葬をするのが一般的です(地域によって多少違いはある)

自宅葬でかかる費用の目安は、おおよそ70万円くらいを見ておくといいでしょう。宗教者を呼ばない、食事をしない。祭壇を組まないなど自由にできるのでその分費用が抑えられる可能性もあります

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