【2023年最新版】コロナ禍で変化しつつある葬儀の現状

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・葬儀の現状ってどうなってるの?

・最近家族葬ってよく聞くけど他の人はどうしてるの?

・葬儀社にほぼおまかせしたけど大丈夫だったかな?

質問があります。

あなたは身近な人が亡くなって葬儀を行わなければならなくなりました。

その時に「こうゆう葬儀にしたい」と葬儀社に言えますか?

この問いに答えられる人は多くはありません。

漠然と「身内だけで」とか「簡単に」など言えればまだマシな方です。

「みなさん、どうしてるんでしょうか?」なんて葬儀社に聞こうものなら

「みなさんだいたいこのクラスの祭壇をご用意してますよ」などと口車に乗せられ多額の費用をかけることにもなりかねません。

実際は葬儀費用は縮小傾向にあります。

いわゆる「家族葬」や「直葬」などが増えてきたことが原因です。

統計によると葬儀費用の平均値は110.7万円ほどです{第5回お葬式に関する全国調査(2022年)}。しかし、平均と同じか、少し下だからと安心してはいけません。地域によってかなり差があります。

みんなと一緒は安心という気持ちもわかります。

しかし、、、

「お隣の○○さんと同じくらいならいいかしら?」と割り切るのはもったいないです。

この記事では統計データをもとに、葬儀業10年のキャリアをもつ僕が現在の葬儀トレンドをご紹介していきます。

周りの人がどうかではなく、社会全体がどういう流れになっているのかを踏まえつつ、自身が葬儀を担当することになったときにどの程度費用をかけたほうがいいのか?

ぜひ参考にしていただければと思います。

■コロナ禍が及ぼした小規模化の波

もともと、葬儀の規模というのは縮小傾向にありました。

私が葬儀社に入社した当初はごく普通の方でも100人〜200人は会葬者がいるのが一般的でした。

しかし、長引く不景気(もはや死語ですね。不景気が当たり前になって誰も不景気と言わなくなりました)のお陰であまり費用をかけれない。

近所付き合いや地域の関係性も希薄化していきました。

さらに高齢化が進んで、亡くなる人が高齢ならその友人や関係者も高齢で会葬に来れないなど、さまざまな理由で小規模化が緩やかに進んでいきました。

そこに「コロナ禍」が訪れ一気に加速していきました。

葬儀業界も必死に抵抗しましたが、亡くなる人は増えるのに業界全体の規模は微増。

つまり一家族あたりの葬儀単価が減ったことになります。

経済産業省のデータによれば(2022年11月)

売上 487億4700万円(前年同月比+6.4%)

件数 41,996件 (前年同月比 +8.2%)

僕の体感ですが・・・

最近では10家族のうち8家族は「家族葬」または「直葬」といいます。

これは僕が勤める葬儀社だけではないようで、周りの葬儀社の知り合いにもリサーチしましたが「一般葬(家族以外にも知人・関係者を呼ぶ葬儀)」は、もはや一般的ではなくなってきています。

コロナ禍がきっかけとなって、今まで我慢していた「小さく葬儀をしたい」という思いが爆発したことで、葬儀の小規模化が進んだわけです。

統計を見ると

一般葬の割合2022年では25.9%

家族葬の割合2022年  55.7%(鎌倉新書調べ引用)

家族葬の割合が半数以上という結果に。

家族葬は今後、「当たり前」になって行くと僕は思っています。

この傾向を踏まえ、どのような分野を抑えて行くのか?

また、どんなことが新たにできるようになったのか?これらを解説していきたいと思います。

次に紹介するのは縮小した業界、(あまり)変わらずの業界、成長した業界です。

葬儀を組み立てるときにみなさんがどこを重視しているのか参考にしてください。

■縮小化した業界

縮小した業界は主なところでは3つ

・葬儀業

・会食関係

・返礼品関係

・葬儀業

葬儀そのものが縮小しており、会葬者が少ないのに大きな祭壇を用意する必要性を感じない喪家が増えました。受付や看板を用意しないことも多くあり、大小様々なことが縮小、削除されました。

・会食関係

以前はお通夜に来られた会葬者に「通夜振る舞い」という食事を提供していました。

近年ではコロナ禍の影響で大皿での食事提供ができなくなり、巻き寿司のようなお持ち帰りの食事を代わりに渡して持って帰ってもらうか、完全に無しにして、返礼品を少しランクを上げて渡すかが主流になりました。

また、火葬が終わったあと「壇払い」と言って、会場に移動してコース料理などを食べることも多かったのですが、こちらもお持ち帰りのお弁当に変わったりしています。以前は料理業者も送迎のバスなどを無料で提供しているところがほとんどでしたが、採算が合わなくなり有料化、もしくは撤退してしまったところも少なくありません。

・返礼品関係

会葬者の減少により、返礼品の出数も減少しました。

お香典を頂いた方に「香典返し」をする場合に、その場で返してしまう「当日返し」がありますが、香典を辞退する喪家も散見されます。

他にも縮小傾向にある業者は数多くありますが、葬儀以外の分野でカバー出来ているところも多く、先に上げた3つよりはなんとかなっていそうです。

葬儀業界で働くものとしては、なんとか持ち直してほしいと願いますが、これも時代の流れ。

あなたが無理に費用を負担する必要はありません。

■コロナ禍でも変わらない業界

コロナ禍だろうと変わらないのがお寺などにお渡しする「お布施」です

お布施は決まった金額を提示してくれるお寺もありますが、基本的には「お気持ち」でいいことになっています。

個人的にはどなたにでも同じ金額を提示してくださるお寺のほうが親切かとは思いますが、中には相手によって金額を変えるお寺もあるようで注意が必要です。

金額が少ないと怒り出し、適当にお経を読んでさっさと帰ってしまうお寺もいるようです。(お布施は後日渡しに行ったほうがいいかもですね)

経済的に厳しい状況の方もいると思いますので、しっかり相談できるお寺がいいですね

また、最近では葬儀・法事などでお経を読むだけの派遣僧侶というサービスもあります

※お寺がない場合は派遣僧侶に頼める!お寺の紹介業者一覧(準備中)

■コロナ禍で伸びている業界

最後に伸びている業界ですが、正直あまりないので参考までに「ああこんな業者(やりかた)もあるのね」くらいに覚えていただければと思います

・動画配信を使った葬儀LIVE

・ドライブスルー会葬

・送骨サービス

・プロジェクションマッピング

・葬儀周辺のDX(ITを使った効率化)

・動画配信を使った葬儀LIVE

 コロナ禍の影響で会葬を控えたい、遠方で参加が困難。そんな方のためにLIVE配信サービスを使って葬儀を生配信する業者も出てきました。また、黎明期なので価格も葬儀社によってまちまち。無料〜10万円前後と思っていればいいでしょう。会葬者自身がLINEのビデオ通話などで配信することもできます。(くわしくは葬儀屋さんに聞こう)

・ドライブスルー会葬

 一時期ニュースなどでも取り上げられました。足が不自由な方が車から降りずにお焼香できるサービス。式場の様子がモニターに映し出されており、お焼香をすると式場のライトがつくなど式場によってさまざまな仕様があります。

・送骨サービス

 遠方のお墓にお骨をもって埋葬するのが困難な方や、お墓がなく、遺骨の扱いに困っている人のためにお遺骨を預かって埋葬までしてくれるサービス。送骨キットに骨箱ごと遺骨を収納して送付するだけ。費用は2万円〜6万円程度でできます。

・プロジェクションマッピング

 祭壇に遺影や故人の思い出の写真やを投影したりするサービス。開式前にスクリーン(背面の壁など)を使ってムービーを流したりと葬儀社によって様々な演出があります。祭壇自体をなくして(無宗教の場合ですが)映像だけで葬儀をすれば費用も抑えられます。

・葬儀周辺のDX(ITを使った効率化)

会葬に足を運ぶことが減ったことも関連しますが、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、葬儀社もできるだけ人的コストや接触コスト、コミュニケーションコストを下げる動きが出始めています。生花の受注、香典の受け渡しなどなど。

生花の受注を例にしてみると、以前は

葬儀社に電話、注文表をFAXで送ってもらい記入して返信(または電話で直接)、支払いの請求書を発送してもらって後日振込(または現地で精算)という流れが一般的でした。

DXが進むと

HPなどで注文、支払いまで完結してしまいます。入力する手間はありますが24時間いつでも注文でき、煩わしい確認の電話など不要。振込も不要。

直接足を運べない人や感染を懸念した人が増えたことでインターネットやデジタル技術を使った新たな産業が生まれ始めています。

まとめ

コロナを引き金に人々の中にある漠然とした小規模化したいという思いが一気に加速し現在にいたります。

小規模化はもはや止めることはできず、あとはどの程度の規模感が一般的になっていくのかが今後の見どころです。

多死社会を迎えるに当たって、多種多様な葬儀のカタチがこれから産まれていきます。葬儀社に任せきりにならず、自分ならどうやって送ってもらいたいか、送りたいかをよく考えていきましょう。

自宅で簡単に葬儀をしたいという方はこちらの記事も参考にしてみてください。

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